好きを愉しむ大人の暮らし。

掛川の住宅地に建つ二人暮らしのお住まい「日々をしたたむ家」。

これまで、計画～上棟までの様子をご覧いただきました。

今回は完成後のお住まいの様子についてご紹介させていただきます。

「日々をしたたむ家」過去の記事一覧

日々をしたたむ家　#01 建築計画

日々をしたたむ家　#02 上棟

設計者ブログ/紆余

設計者ブログ/ならでは

外観

落ち着いた濃い色合いと重厚感のある深い軒が特徴です。

打ち上げの軒天井は、シャープな印象を与えつつ、できる限り軒を長く出せるよう、梁の高さ・屋根勾配を検討しました。

また、排水計画を入念に行い、西面と南西面の軒樋を無くすことで、よりすっきりとした屋根に。

雨の日に鎖樋に流れ落ちる様子も外観のアクセントになります。

玄関部分の袖壁は、趣味のレコードの反響音を抑えるのと、寝室や洗濯物の目隠しのために設けました。

庭部分の塀は、遮りすぎず、開きすぎずちょうどいい高さを打合せして決定しました。道路から見た時の圧迫感も少なく、周囲の環境にうまく溶け込んでいます。

ポーチ灯はオーナー様の支給品で、「夜帰宅すると満月の様で素敵」とのこと。帰るのがとても楽しみになりますね。

玄関

間接照明の柔らかい光が出迎えてくれるゆとりのある広さの玄関。

所有しているたくさんの靴を収納できるよう、大きな玄関収納を設けました。

収納の扉は使い勝手を考慮して引戸を採用しました。

玄関を上がると、カウンター部分に八掛を用いた花台があります。見え掛り部分がすっきりと見える加工技法で、白い空間を邪魔することなく、すっきりとした印象を与えてくれます。

毎週季節の花を選んで飾るのが奥様の楽しみだそうです。

リビング

「テレビはあまり見ない、レコードをベストな位置で聴きたい」というご主人のご要望から生まれた、おこもり空間のリビング。

天井の杉板が良いアクセントになっています。

ダイニングと天井の高さを変え、自然と庭が見える家具配置にすることで、囲われた空間でも狭く感じない工夫を施しました。

造作家具のリビングボードにはお気に入りのレコードが収納されており、家具の扉部分は、これから暮らす掛川に馴染んでいかれるようにという思いを込めて、特産の葛布を用いました。

オーディオ類の配線がごちゃついてしまわないよう、天板部分に配線孔をスリット状に設けてあります。

ダイニング・キッチン

板仕上げの勾配天井と間接照明がアクセントのダイニング。

障子のデザインは、白い壁と合うように、材を細く仕上げました。

障子を開けると、庭からあたたかな陽の光が入り込んできます。

ダイニングの椅子は、今回の計画を機にご主人が様々な場所でお気に入りを見つけて購入されたそうです。

ペンダントライトは奥様の好きなデザインのものをセレクト。お二人のお気に入りが詰まった空間になりました。

庭の草木を眺めながら趣味のお裁縫をされるそうです。

キッチンは、ステンレス天板に木の扉のものを採用。

新築を機にパンやお菓子を作りたいとのことで、中央に作業台を設けました。キッチンと統一感が出るようにオーク材を使用しました。

キッチン部分の窓は緑が見えるようあえて透明ガラスを採用。隣家の窓の位置や設置するサイズを検討しました。

収納スペースは、持ち込み予定の家具のサイズや使い勝手を確認し、計画しました。

書斎

ご主人が読書好きとのことで、本を読むことを目的とした書斎。

ちょっとした書き物ができるデスクコーナーは、座った時に籠った印象となるようシナ合板張りで仕上げました。

デスク横のニッチには季節の花々が飾られています。

集中して読書ができるよう、地窓や障子付の腰窓を用いて外部からの視線を考慮した計画にしました。

本の世界にじっくり浸りつつ、ふと窓に目をやると庭木の変化を感じられる落ち着いた空間となっています。