2021.08.27 蒼と風の家 蒼と風の家 #01 設計コンセプト前編
浜松市の設計事務所

完成見学会での出会い

M様との出会いは3年前。私が設計した「灯香の平屋」の完成見学会にご来場いただいたのがきっかけです。Tシャツとジーンズのラフなスタイルがお似合いのご夫婦で、聞けばご主人はサーフィンがご趣味とのこと。お二人とも気さくで明るい方で、初対面から会話が弾みました。帰り際、一度お見送りをしたのですが、再び引き返してこられ、プランをご依頼いただいたのが印象に残っています。

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奥様のご実家から譲り受けた敷地は、広さが約100坪。ご夫妻は当初、他の住宅会社を検討されていたのですが、大きな敷地の真ん中に四角い家を配置しただけの提案だったので面白みが感じられず、しっくりこなかったとのこと。そこで、当社の家のオーナーである奥様のご友人の勧めで、見学会に来場されたそうです。

平屋のように暮らしたい

住まいの設計は、ご家族の要望だけでなく、ご本人たちのライフスタイルや人となり、趣味などを深く理解しなければ成り立ちません。最初の打ち合わせでは、会話を通じてこれらを汲み取りながら、「平屋のように暮らしたい」というご夫妻の理想のライフスタイルや、「サーフィン道具をしまえる小屋を家と一緒につくりたい」というご主人の要望などを共有しました。
ファーストプランをご提案したのは、その1週間後。普段はもっと時間がかかるのですが、今回はご夫妻と年齢が近く、好みが自分とよく似ていたことや、ご要望が明確だったこと、敷地の条件に恵まれたことなどが理由で、すんなりとアイデアが浮かんできたように思います。

アプローチ

広い敷地をどう活かすか

M様邸の場合は、「広い敷地をどう活かすか」が一番の課題でした。そこで、まず平面的なプランニングによって敷地全体をどのように使うかを検討しました。私の設計方針としては、敷地の中で一番明るい場所に庭を配置し、そこに向けて大きく開口することで、明るさと開放感、そして庭の風景を室内にとり込むというセオリーがあるので、今回の場合もそれを基本にプランを考えました。その結果、出来上がったのが「T」の字型の2階建てのプランです。L D Kと水回り、寝室は1階に配置し、2階は子ども部屋と収納のみにして、平屋のように暮らせるようにしました。また、ご主人がサーフィンから帰ってボードをしまい、ウェットスーツを干して、シャワーを浴びてから室内に入るというサーフィン動線も反映させました。

浜松市の設計事務所が建てる

一番長く居る部屋を  一番気持ちの良い場所に

私がプランニングの際に特にこだわっているのは、ご家族が日中一番長く居るスペースを、一番気持ちの良い場所に配置することです。そのため、M様邸の場合も、ご家族が一番長い時間を過ごすリビングを日当たりの良い場所に据え、庭を一望できるようにしました。こうすれば、室内からお子様が庭で遊ぶ様子を見守ることもできます。ご夫妻にプランをご提示すると、「外観がかっこいいですね」「敷地を上手に利用してありますね」といったご感想の他、寝室と子ども部屋、物置をもっと広くしたいというご要望が出たので、それらを再考して約1ヶ月後に2度目のプランをご提案しました。

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