家づくりの本質

家を建てるということは、自分と家族の場所を確保するということです。
「誰からも侵されない安全で快適な自分と家族の場所を確保する。」
生き物の本能的な営みです。
ただ人間は他の生物とは違い、社会を発展させ、集合住宅、共同住宅、賃貸住宅、戸建て住宅、併用住宅、宿泊施設などその営みに様々な選択肢を設けました。
ただ、それらは、どれも本質的な目的「誰からも侵されない安全で快適な自分と家族の場所を確保する」は同じです。
さらに人間は技術を進化させ、平地だけではなく、斜面や田畑、沼地、森や林の中、岩の上、海の上、砂漠、絶壁、空の上など様々な環境に住まいを設けることが出来ました。もちろん、これらも本質的な目的は同じですが、景色の良い所に住みたい、他の人と離れて住みたい、非日常的な場所に住みたい、他に住むところが無いので開拓をした、誰にも自分の暮らしを邪魔されない場所に住みたいなど、より多様な価値観を付け加えた結果、実現したものだと思います。
このように、現代の家づくりは、多くの選択肢があるからこそ、迷いが多いのですが、その本質は実にシンプルで本能的(考えなくても行動できる、頭より体が先に動く)です。
迷いに迷って家づくりに行き詰った時には、今一度、頭と体をリラックスさせて原点に返り、本能的に捉えてみるのも良いかもしれません。
「自分と家族にとって、最も安心でき、心穏やかに暮らせる環境とは何か?」

大西等