「楽しい」がつなぐ。

「君はもっと楽しそうな顔をして設計した方が良いよ。」

数年前、建築家 吉田桂二さんの元で学んだ際に
先生から頂いた私への一言です。

普段から表情の変化が乏しい私ではありますが、
数十人いる生徒の中、そんな所まで見ておられるのかと驚きました。

「眉間にシワを寄せて考えていても良いものはできない…」

当の先生は、にこやかに、時にはやんちゃな顔をしながら、
そんな事をよくおっしゃっておりました。

サン工房でも、志も能力もある若きスタッフらが、
もがきながらも、とても楽しそうな顔をして
設計に取り組んでいる姿を傍らにして、
頼もしくも、微笑ましくも感じながら、、

吉田桂二さんのそんな言葉を思い出していました。

「今の自分はどうなんだろう…」

少し話がそれますが、、

決められた事、与えられた事を続けるのは、
安心感や心地良さがあります。

新しい事にチャレンジしたり、何かを変える事は
責任やエネルギーが必要になります。

しかしながら、自らの判断、自ら行動しているからこそ、
「楽しい」のではないかと思います。

また、やりたい事をしごとにできる喜びを素直に感じたり、
自身の想いや、積重ねてきた知識や技術が、お客様の役に立っていく事に
幸福感を感じる「楽しい」もあると思います。

楽しいと思う感情に経験や年齢は関係ないと思いますが、
或いはそれが障害になる事もあるのかもしれません。

・・・

経験や年齢を超えて、各々の個性や才能を発見、発揮し、
それを惜しみなく共有し、互いに影響を与えながら総合力を高める。

そんな姿を見て、見せて、次の世代につなぎ、
それを繰り返し、進化、変化しながら継続していく…。

ものづくりや建築好きが集うこの環境に、
そこに自分の居場所がある幸せを忘れずに、

何よりそのような機会を頂いているお施主様に感謝し、、、

ものづくりが、建築が「楽しい」でつないでいく、
いつまでもそんな集団でありたい。

岡本茂揮