鳥のようにみる

以前、横内敏人氏設計の、和合ゴルフクラブへ見学に行った際、
敷地のゾーニングやとらえる際に、1/200のスケールで考えてみる
というお話を伺いました。

普段はグリット用紙を使って、1/100で考えることが多いのですが、
1/200で描きだすと広い範囲まで、限られた用紙の中でとらえることができ
隣の家までだけでなく、数軒先がどうなっているのかまで書き込みたくなり
航空写真を見ているよな、周辺を掴んでいくような感覚を得られました。

また物理的にサイズが小さい分、書く時間が短くなり数パターンの案を
書きだすことのハードルが下がりより多くの可能性を検討することにもつながると感じました。

おそらくそのお話をしてくださった意図は手法的な話ではなく、
自然とスケッチの中に周辺の建物を遠くまで書き込むこととなり
近くの丘、木々、数軒先の庭、ちょっとした風の通り道など、少し離れた魅力的な環境の何かを
掴んでいく、またその土地の地形に触れるような感覚を手と目で感じることができることに
意味があるということなのではと思います。

あれから月日が経ちましたが、ふとその時のことを思い出し
今一度、俯瞰的にとらえることを大切にしようと思います。

その時拝見した横内さんのスケッチ↓


山口江梨子