コストバランスのデザイン

「帰宅した際にエアコンがついていたかと思う位、室内がカラっとしていて涼しい。」
湿気の多い季節がやって参りましたが、あるオーナー様よりそのような感想を頂きました。
恐らくは、内装に使用した左官仕上げの調湿機能による効果もあるのだと思います。
「塗り壁は高価ですよね?」
よく頂く質問ですが、やはり壁紙より費用は掛かるのですが、その金額差と性能を天秤に掛けると、コストパフォーマンスが良いのではと感じます。

上記は内装材についての費用についてですが、家一軒の見積には、とても多くの項目と内訳があります。完成後に目に見える範囲というのはどうしても予算を掛けたくなるものですが、逆に完成してからは見えなくなる部分(後々の交換が難しい部分)ほど耐久性や性能に関わることも多いのですが、見積上は気づきにくい部分でもあります。

また、昨今のウッドショックも踏まえ、過不足のないの構造設計や木材の使い方は設計者の力量や現場の経験値による部分も非常に大きいと痛感しております。

部屋数が多く広く、格好も良く、便利な設備機器も多く採用したが、その分構造材や下地材など家の性能、耐久性に関わる部分でコストを調整した…では家づくりの本質から離れてしまいます。

勿論、要望は人それぞれですので、その方にとって価値ある物もありますのでよくお聞きして採用すべきこともあります。

良いものは費用が掛かるのも事実ですが、予算に上限がある中、全体を見渡しながらバランスを取る事は、設計者の大きな役割のひとつであり、お施主様にとっては目に見えない部分だからこそ、誠実に考えるべきだと思います。

多くのオーナー様からのお声や、新たな素材、設備、または設計手法の工夫など常にアンテナを高くし、学び、情報を集め、コスト面でも最適なデザインをご提案していかなければなりません。

岡本茂揮サン工房 平屋 二階建て 木の家 浜松 工務店