『蒼と風の家』物語~後編~

|手描き図面に込めた想い

プランをご提案する際、私はいつも手描きの図面やパースをお客様にお見せしています。私たちサン工房は、材を選び、自社専属大工が伝統的な加工を施して、一棟一棟丁寧に家を仕上げています。そして、「丁寧な家づくり」という点では、設計段階も同様です。それをお客様にご理解いただけるように、私はあえて手描きの図面を自ら作成しています。手描きの図面は、手仕事で丁寧に築き上げる当社の家づくりの象徴であるという想いで、この取り組みを続けています。

M様に手描きの図面をお見せした際にも、とても喜んでいただけました。
そして、2回目のプランをご提案した時点で、当社で家を建てたいと申し出てくださいました。

▶7/24(土)25(日)開催 完成見学会
『蒼と風の家』※ご予約受付中

 

|コストバランスのデザイン

ご夫妻の要望に基づき各スペースを広げるとなると、問題となるのが費用です。面積を増やせば費用も増えるので、コストコントロールが大きな課題となりました。そこで、完成見学会を開催する度にご夫妻に足を運んでいただき、実際の建物を見ながら、どのように費用を調整するかを一緒に考えました。意匠・構造・性能・コストをバランス良くまとめるのが設計者の役割です。そのため、コストをかけるところと抑えるところを思案し、話し合いの中で、扉1本に至るまで必要かどうかを十分に検討しました。そして、限られた予算の中で「本当に必要なもの」を決め、取捨選択を繰り返して、コストバランスのデザインを図りました。

<プラン完成・家の名前>
「蒼と風の家」のアウトライン

試行錯誤の末、内外の仕様もようやく固まり、プランが確定。契約に至りました。そして私は、この家に「蒼と風の家(あおとかぜのいえ)」と名付けました。約100坪の土地の東西南北に、両腕を伸ばすようにT字型の建物を配置し、南側の庭に向けて大きな開口部を設けました。周囲には田畑が広がり、隣地には住宅が無いため、窓を開放して暮らせます。春から秋にかけては、窓から風が流れ込み、風になびく草の音がサラサラと心地よく耳に響きます。また、視覚的にも庭との一体感を愉しめる居間になりました。間取りは、「平屋のような暮らし」ができるように、水廻りと寝室を1階に配置。内装は桧や杉の木材と白の塗り壁を基調とし、差し色で青色を壁や天井に使用しました。海の青、空の青を思わせる内装と、室内を心地よく巡る風を感じながら、ご家族4人が心ゆたかな暮らしを愉しんでいただきたいという願いを、この名前に込めました。

▶7/24(土)25(日)開催 完成見学会
『蒼と風の家』※ご予約受付中

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