不安×と×提案

先日、サン工房で初めて焼津市にて、お住まいのお引渡しをさせて頂きました。

多くの見学会に足を運んで頂き、お互いにイメージを掴かみながら打合せを重ねて参りました。建築は空間であり、木や石などの自然素材はひとつひとつの肌感も異なり、最終的には完成しなければ見えない部分も多く、お施主様も大変ご不安な想いをされていたのではないかと思います。

それでも、お任せくださった所も多く、設計者としても多くのご提案をさせて頂きました。お客様のご要望をどのように解釈するかは設計者次第であり、そのまま受け止めて良い場合とそうでない場合と、多くの対話の中から見極めて、判断を積み重ね良い結果に導いてくことが提案であり、責任でもあります。

ご要望のまま詰め込むのは安易な選択であると思いますし、責任は薄くなります。そういう意味で、ご提案するとういう事は責任があるがゆえに、設計者にとっても不安との闘いでもあります。

その不安をひとひとつ拭い去るためにも、多くのスケッチを描き確認し、描き直しの繰り返し。純度を高めていきます。この作業はお施主様には見えないからこそ重要な作業です。

そして施工中も設計時の検討との差異がなかった確認し、修正を加えて完成を迎えます。勿論、完成が終わりでなく、どのように家具を設え、庭との関係性、季節を巡り住み心地がどうであるか、、、本当の答えは何十年も経たなければ分からないと思います。

家づくりに学びは尽きませんが、設計者以上にお施主様はご不安な想いをされている事を忘れずに、不安と向き合っていきたいです。

岡本

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