家族との暮らし方を考える

住まいを設計させて頂く際には、家族との暮らし方について一緒にお話しさせて頂く事もあります。時として設計させて頂く最中であっても、住まい手が今まで過ごしてきた日々の中の想い出深い記憶や幼い頃の実体験についてお聞きする事もあります。
なぜならば、望まれる暮らしや空間がその想い出にふれる事があるかもしれないからです。
私は好きなことの中の一つに”夕焼け空を眺めること”があります。数年前に自宅を設計させて頂いた時にも、いくつかの希望の中に夕焼け空を眺めるられるリビングを挙げました。いつ頃から夕陽が好きなのかなと自問自答してみるとそれは私が小学生の頃にまでさかのぼりました、振り返ってみると幼少期は年齢も違う近所の友達のお宅や家の近くの佐鳴湖公園でよく遊んだものでした。
いつも時間など気にせずに遊んでいても、決まって夕陽が見える時間帯になると皆そそくさと家族の待つ家路に急いだ想い出がよみがえります。今日になっても夕陽を眺めると”あの幼少の頃の家族団らん”を無意識に思い描き、懐かしさを感じるのではないかと思います。
このように皆様の原体験のお話は間取りの打ち合わせの中だけでは得られないかもしれませんので、何気ないひとつの会話も大切にしながら、住まい手にとって大切にしている事を十分に理解したうえで、想い出の場面として残せる設計を心がけて行きたいと思っております。

鈴木清澄

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