ガレージのある暮らし

先日、4年目の定期点検で設計担当したお宅に伺いました。
定期点検では外装・内装に不具合が無いか、建具の建付や設備機器は問題無いか等、目視や実際に触って確認し、お施主様には暮らしてみての感想や居心地はどうか、ヒアリングを行います。
今回、外部点検中に、思いもよらないものを発見しました。
この家は玄関までのアプローチが長く、建物を横を歩いていくと玄関が現れます。



玄関ポーチには鉢植えや壺、据置の照明器具があり、趣のある佇まいが演出されていました。
アプローチの格子の横に駐輪、駐車用に土間スペースを計画しましたが、



陶芸のアトリエになっていました。
電動ろくろや電気釜まで置いてあり、棚にはお施主様の作品や材料などが置かれていました。
お施主様に話を伺ったところ「2年ほど前から教室に通い始め、最近になって機械を揃え、家でも作り始めた」とのことでした。想定していなかったガレージの使い方で驚きましたが、同時に「上手に住みこなしているな」と感心してしまいました。
設計者としては、楽しく心地よく暮らしている様子が見られた時が最も嬉しい瞬間です。
家での暮らし方も、コロナのような外的要因や家庭環境によって変化します。
私たち設計者は、それらの変化に許容できるような、おおらかな考え方も必要です。

増田光