日本から学ぶ


数年前に訪れた北欧三カ国。街並み、インテリア、家具、小物……と目に映る素敵なデザインにすっかり魅了されたわたしは日本もこうだったらいいのになと、このまま住み着いてしまいたい心持ちになっていました。
そうして旅の最後に訪れた美術館。そこで目にしたのが、このパネルでした。

「LEARNING FROM JAPAN」
デンマークと日本の友好150周年を記念し開催されていた展覧会。北欧が日本から学んだ建築や家具の意匠、素材、工程までが並び、知らずに訪れたわたしは「日本もいいものだよ、そろそろ帰ろうね」と言われているような気持ちになったことを覚えています。
さて、わたしたちが家づくりにおいて掲げている「日本の家をつくる」ですが、いま窓の外に広がる景色に、北欧の方々が学びを得た日本がどれだけ残っているでしょうか。なにより、旅先での私がそうであったように日本に暮らすわたしたち自身が、昔ながらの日本の良さを忘れてしまっているように感じます。
様々な価値観が改めて問われている今、
日本らしさ、日本の良さを見つめ直し、次の世代へつないでいくこと。
家作りを通して、そうしたことに繋げることができたらと、わたしも改めて日本に学んでいきたいと思っています。

鈴木孝明