こころおどる

最近購入して、心躍った1冊の本をご紹介します。

遠藤慧さん著 「東京ホテル図鑑」

彼女の描くスケッチの線や色彩、レイアウトがとても好きで、
「こんな風に描けるようになりたいなぁ」と思いながら以前からSNSで拝見していたのですが、
この度、そのスケッチ集が出版されるとのことで即購入しました。

遠藤慧さんが実際に宿泊して実測した東京と近郊のホテル23件が紹介されていて、そのホテルを疑似体験したような、少し旅行気分も味わえる1冊です。
中には私も宿泊したことのあるホテルも紹介されていて、なんだか嬉しくもなりました。

実測スケッチを眺めているだけでも楽しいのですが、私の心が躍ったポイントはそこに綴られている文章。
遠藤慧さんのホテルをみる視点や感性が興味深く「あぁ、この方は建築の変態なのだな」と思いました。(※敬意をこめています。)

この本の冒頭で遠藤慧さんも述べていますが、建築に携わる人はいつもコンベックス(金属製のメジャー)を持ち歩いていたりします。
日常で居心地がよいと感じた空間や、いいなと思った家具や建具の寸法などをさっと実測できるようにするためです。

私自身も、サン工房に入社するときに「すぐ測れるようにいつも持っているといいよ」と先輩からアドバイスいただいたので、小さいものをキーケースに付けて持ち歩いています。

普段、設計の仕事をしている時も、この設計(寸法)で生活しやすいだろうか、良い空間になっているだろうかと悩む場面が多く、コンベックスを片手に、参考になりそうな場所を探して事務所内をよくウロウロしています。

良い建築・居心地の良い空間に出会ったとき、どうして良いと感じるのかを紐解く要素のひとつとして「実測をする」「寸法を知る」があると思います。
その他にも、素材の質感、色、照明、見える景色など、いろんな要素が組み合わさって居心地の良い空間ができていて、寸法を同じにしたからといって、必ずしも良い空間となるわけではないのが建築の面白いところではあるのですが、、。
こうしていろんな建築を体験して、実測して、記録することを積み重ねていけば、設計の引き出しが増えて、設計の幅も広がっていきます。

そう考えると、わくわくが止まりません。

建築めぐりをしたくてうずうずしてきました。
さぁて、どこに行こうかな。

藤井南帆