良さを見つける。良さを活かす。

良さを見つける。良さを活かす。
~愛媛県大洲市でみた古民家改修ホテル群からの気付き~

今年の夏季休暇を利用して、愛媛県大洲市にある「NIPPONIA HOTEL 大洲城下町」を見に行きました。

https://www.ozucastle.com/

愛媛県大洲市は、肱川の鵜飼と霧、臥龍山荘、大洲銘菓「志ぐれ」くらいは地元でもよく知られていました。
私も小さい頃に大洲を訪れた記憶はありますが、とても寂れた印象で、観光にいく人なんてほとんど聞いたことがない印象でした。
その大洲がある大阪の歴史的建造物の利活用を営む会社の手によって、素晴らしい観光地に生まれ変わっていました。

歴史的建造物は、利便性や機能性の面で新しい建物に比べて価値が劣ります。
しかし、そこには地域の人々によって代々受け継がれてきた歴史と文化的価値があります。
ただいくら歴史と文化的価値があるとはいえ、今の社会や生活にとって必要かどうかと問われれば
残すための労力や経費もかかるため、無くても良いかもしれないと思う方も多いと思います。
(※個人的には文化的価値だけで十分だと思いますが、かなり少数派だと思います。今回も単独観光でしたし。泣)
「NIPPONIA HOTEL 大洲城下町」の魅力は先のリンク先のHPと添付写真をご覧下さい。








そこでまず私が感じたことは、職業からくる違和感でした。
「あれ、あそこまだ直ってないぞ。これで終わり?」、「え、これこのままで良いの?」
そう、全然、直しが途中なんです。とても気になりました。
きれいにしようと思えば、まだまだやれるところはたくさんあるのです。
でも、しばらくそんな建物群が建ち並ぶ街を歩いていると、だんだんと気付いてきました。
「あ、これで良いんだ。」、「なるほど。わざとか。」、「へぇ~、こっちの方が確かに良いわ~。」
違和感は、静かな感動に変わっていきました。

この歴史のある建物の良さを活かすには、このくらいで手を止めないと逆に価値がなくなってしまう。
無意識に新品同様に直さないといけないという固定観念に縛られていた自分。
建物の随所にみられる経年変化、経年劣化は、見方を変えると、
培われてきた時間や今までそこで暮らしてきた方たちの営みを感じます。
それこそがまさにその建物が持つ文化的価値だから、それを無くしたり隠したりしてしまっては、
その文化的価値が無くなってしまうと、気付きました。

改修といえど、携わる設計者には、その建物が持つ価値を見つける目と
その価値を改修の目的によって最大限活かすにはどうしたら良いのかという判断が必要だと感じました。
以前に会社の建築視察で訪れた京都の古民家改修ホテルも素晴らしかったのですが、
京都のような都会における古民家改修ホテルの在り方と
大洲のようなとても田舎にある古民家改修ホテルの在り方では、やはり異なる価値があると感じました。

わざわざそこまで行ったからこそ味わる価値のある素晴らしい場所でした。
是非皆様も興味があれば長期休みを利用して訪れてみてはいかがでしょうか。
ユニークさこそ価値がある!価値を最大限に活かす見せ方も必見です!

サン工房 大西 等

スタッフ

前の記事

家と庭