家こそ充実

家づくりの仕事に携わっていると、お客様から時々こんなことを聞きます。

「自分にはもったいない。」

「分相応の家で良い。」

私は正直、ちょっともったいないなぁと思ってしまいます。

朝起きて、カーテンを開けて、トイレに行って、朝のニュース番組を付けて、

朝ご飯をつくりながら子供の弁当や水筒を用意して、慌ただしく食べて、片付けて、

ゴミをまとめて、洗濯機を回して、干して、掃除して、出掛ける支度をして、

見送って、それぞれ学校や仕事に出掛けていく。

ありきたりないつもの朝。

帰宅してからも、朝同様それなりのルーティンをこなし、

次々家族が帰ってきて、また用で出て行って帰ってきて、手が空いた人から

スマホやテレビや読書やお酒やもろもろ、好き勝手なグダグダした時間を過ごして寛ぎ、眠りにつく。

何でもない、いつもの日常。

でも、

こんなどこの家庭にでもある日常生活こそが人生の大半で、

その日常生活が豊かであれば、その人の人生も豊かになる、

だからこそ、何気ない毎日の日常生活にはすごく価値があると私は思います。

そして、

もし万が一、そんな日常生活が何かのアクシデントで不意に奪われてしまったとしたら、

きっと、

あの時が一番幸せだった!

あの日常を取り戻したい!

叶うものなら、あの時間を返して欲しい!と願うと思います。

ありきたりな日常とグダグダした時間を過ごせるということは、

それを不意に奪われないという絶対的な安心に支えられているからで、

その絶対的な安心の、最も大きい要素の一つが家です。

価値がある日常生活を、

絶対的な安心で支える家は、やっぱり相当に価値があると思います。

だから、

出来る限りご家族らしさにこだわった、存分にグダグダできる、快適で、安心できる家を望んで欲しいと思います。

そして、少しでも日常生活が豊かになるような工夫を取り入れて欲しいと思います。

例えば、同じ窓でも付ける位置によって見える景色や日の入り方、陰の出方が違います。

これは予算をかけずに日常生活を豊かに出来る1つの方法です。

先の見えない不安定な時代だからこそ、様々な不安が絶えませんが、

日々の暮らしの大切さに目を向けて、まずはそこを整えていくことから始めてみても

良いのではと思います。

サン工房 設計 大西等

スタッフ

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