レオ・レオーニ展
先日、刈谷市美術館で開催されていた「レオ・レオーニと仲間たち」展へ行ってきました。
「スイミー」の作者というとピンとくる人も多いのではないでしょうか。
オランダで生まれ、アメリカ、イタリア、など様々な国での生活、言語の習得など生い立ちをみながら
また身近な小さな自然にたいするあたたかな目とそのスケッチ、お孫さんへの絵本作りに至るまで
その生涯に触れることができました。
特に興味深かったのは、石のお話で「はまべには いしがいっぱい」という絵本です。
カラフルで華やかな他の絵本の中では異色なもののように見えました。
レオーニは石を集めるのも趣味だったそうで、その本は終始石のことについて書かれています。
形、質感、模様、同じものは一つとなくそれぞれに魅力があり、動物にみえたり、想像力を掻き立てられる
そんな絵本です。子供たちがよく石をひろったり、持ち帰ったり、じっと眺めていたりするけれど
その気持ち忘れていたなと、はっとさせられるものがありました。
みんな違って個性があるからいいのだと、そんなメッセージもこめられているように思います。
晩年に空想植物という多くのスケッチとその彫刻も作成しており、それらもモノクロでした。
高齢になったレオーニが楽しそうに、彫刻を手にしながらこ「れは中に種があって、展示までには入れる予定だよ」
とか、ある彫刻には「今蜂がいて触ると危ないんだ」とか、お話ししながら自分の作品たちに愛おしそう触れる
少年のような様子を見て、ものづくりをする人は何歳になってもこの楽しみと喜びと共に暮らせるんだなという
わくわく感と元気をもらいました。
山口江梨子