現場ブログ

木製バルコニー改修 07【修復再生・施工 vol.3】

築年数、約18年目を迎えるお住まいの木製バルコニーの改修工事です。

 

前回では柱の継ぎ手加工が整い、本格的に組立て作業に入ります。

ブログをご覧いただいている方であればご存知のお馴染みのビス。

シネジック㈱ パネリードS

もの凄い引寄せ力が期待できますからね。

ここでも存分に使用していきます ↓ ↓ ↓

手を広げた中指から親指までが約20cm。

今回は26cmと35cmの長いビスを使用します。

見るからに頼もしさが伝わります ↓ ↓ ↓

 

それでは始めていきますか!

高所での作業がしやすいよう、また安全に作業が行えるようにある程度先に打ち込んでおきます。

 

仕上げには意匠的にビスを見せないようにします。

したがって埋め木(樽栓:たるせん)用の穴を先にあけてからそこに打ち込みます。

 

前に作ったこれを打ち込む為です ↓ ↓ ↓

直径24㎜の丸棒です。

 

敷き梁の材料の大きさは12cm×18cm。

それと見比べてもビスの長さがよくわかります ↓ ↓ ↓

このビスでガッチリと留めつけていきますよ!

 

材料の仮固定です ↓ ↓ ↓

材料を持ちながらでは作業もしにくく危ないですからね。

クランプで落ちないように固定しておくことで集中して締め付け作業を行えます。

先ずは木口部分から引っ張るような形で締め付けていきます。

ビスを打ち込んでいく順番も大切な要素です。

 

バルコニーが落ちないようにしていたジャッキも、作業進行に合わせてベストな部分に掛け替えます。

新しい補強の敷き梁の真下に掛けることで、上下の密着も良くなりますし安定した作業ができます。

 

続けてその敷き梁を支える為のつなぎ梁も入れていきます。

これで十文字の梁組ができました。

 

ビスの本締め作業に入ります。

上下の梁のツラを合わせるように位置の補正も大事ですね。

柱のホゾ穴を利用して、下から上に向かってビスを締め付けていきます。

下ではシーリング業者さんも出番を見据えて手ぐすね引いてまっています。

その真上には切断した元々の柱が残っています。

そこをめがけて35cmのビスを打ち込むわけですね。

高さ18cmの材料に対しホゾ穴の深さは約6cmほど彫られています。

残り12cm程度ある木材部分に35cmのビスを打ち込みますので、約23cmくらいは柱に打ち込まれるようになります。

真ん中の1本だけですけどね。

残りの2本は埋め木穴のところからですから、約19cm程度打ち込まれます。

 

図でみるとこんなイメージです ↓ ↓ ↓

今までご覧いただてきた通り、切断した柱の下部は腐食しておりビスが効きません。

したがってしっかりとビスを効かせるには深く深く打ち込む必要があります。

そうすることで下の材料からの引っ張りの効果が期待できます。

またこの構造ビスがホゾの代役になってくれるので柱の安定性にも効果が期待できます。

下から串刺しにして芯棒の役割を果たしてくれるようになるわけです。

それにしても笑っちゃうくらい長いよね 笑

 

画像では伝わらないのがとても残念ですが、めちゃめちゃビス効いてますよ!

インパクトドライバーから伝わる打撃音を聞いてるだけでもよくわかりましたから。

初めは『本当に効くかなぁ~・・?』なんて言ってましたが

『効いた!効いた!効いた!』ってね。

ホラホラホラー!って感じですよ。

こういうのって、やってみなきゃわかんないですからね。

ガッチリと喰いつきましたよ!

少しでも安定させるべく、さっそく柱も組み込んでいきます。

柱を打入れ込むには少しだけ上に上げる必要があります。

金輪継ぎの目違い部分ですね ↓ ↓ ↓

この分だけは上げないと絶対に継ぎ手を組むことができませんからね。

バールなどを使って”こじたり”しながら、無理な力をかけ過ぎないように入れていきます。

 

継ぎ手が噛み合わさればこっちのもの。

継ぎ手の重なり部分に込み栓を打ち込んで組み上げていきます。

原理は以前UPしたこれですね ↓ ↓ ↓

⇒金輪継ぎ込み栓 こちらも参考に

 

打てば打ち込むほど双方の材を引っ張り合うことができます。

当然限界はありますが、かなり固くなるまで打ち込みます。

なんとなくですけどね、、音が変わるんですよ。

カンッ カンッ カンッ カンッ ビシッ!ってね。

もうこうなったら簡単に抜けるもんじゃぁございませんよ。

それに桧から多少なりとも脂(ヤニ)がでるので、より固まってくれます。

ちなみにですが、込み栓には”モアビ”という堅木を使っていますよ。

 

ここまでくればようやく一息つけますね。

シーリング業者さんをだいぶ待たせしまいました。

 

足場があるうちに先行でマスキング作業をしておきます。

細かなシーリング作業となりますので、極力やりやすい環境での作業が好ましいですからね。

 

とにかく一つ一つの作業に慎重さが求められますので、スタコラサッサと進めるわけにはいきません。

慎重に、安全に、

的確に、正確に、

とにかく一つずつ確実に進めることが重要です。

焦ったところで良い仕事はできません。

しっかりとした品質の物を提供することが安心につながると信じています。

これが我々技術屋としての責務であり、営業の一つではなかろうかと。

もちろん技術だけに溺れてはダメですよ。

『腕は良いけど口は悪い・・』なんてのは過去の話。

それより人柄がとても重要なんじゃないかな。

何が大切かを見誤らないように取り組んでいきたいものです。

次回で、この木製バルコニー改修工事も完結となります。

最終の組立てと仕上げ、修復再生の様子をお伝えしたいと思います。

 

木製バルコニー改修 07【修復再生・施工 vol.3】

現場監理 金原