リフォーム記録

大規模リフォーム・フルリノベ 11【耐震補強箇所の確認】

築年数、約35年目を迎えるお住まいの大規模リフォーム・リノベーション工事です。

基礎工事、、その前に一つ重要なことが。

前回で解体工事が完了となりましたが、実は完了直前に行っていることがあります。

リノベーション工事の中のメイン工事ともいえる耐震補強工事についてです。

 

皆さんもご承知の通り、リフォーム工事、リノベーション工事におきましては、特にBefore・Afterの変貌がとても大きなファクターとなります。

その為、工事の進行だけを優先してしまっては、Beforeの記録が取れなくなってしまう可能性が高いです。

SNSにUPするような写真ではなく記録として残す写真なので、完全に解体してなくなってしまってからでは後の祭り。

そうならない為にも解体終了直前≠良い写真が撮れるタイミングにおいて、記録写真の撮影と図面記録の保持がとても重要となります。

この日は記録と写真撮影の為、解体業者さんにお願いをして1日あけてもらっています。

そして現状を確認して記録したのがこれ ↓ ↓ ↓

図面のボカシの旨はご了承を。

それと私一人だけがわかる記録図面ですので、今一つ何がなんだかわかりづらいかと思いますが堪忍です。

ここに記載されているのは、Before(現状)After(補強計画)の両面を記載しています。

もともとの図面に”筋交い”が記載されていても、現状は入っていなかったり・・

その反対に、図面に筋交いが記載されていないところに、現状は入っていたり・・

もともとの図面に”柱”が記載されていても、現状は入っていなかったり・・

柱や筋交いはあるのに、現状はその下に土台や基礎がなかったり・・

これが耐震補強工事における”あるある”であり、現場運営においての現実ですね。

解体してみないとわからないということはこういうことなんですよね。

 

実際の記録写真は全部で100枚以上になっていますので割愛しています。

その記録写真から抜粋した一部がこちら ↓ ↓ ↓

図面には”グリッド表記”というものがあります。

図面上に記載した縦と横の格子状の基準線です。

縦の列を、1、2、3・・と表記したり

横の列を、A、B、C・・と表記して

『Aの1~Aの3のところだけど・・』等、関係者同士でお互いが認識しやすく、よりわかりやすくすることができます。

実際の写真にも、このグリッド表記をして写真撮影をしています。

これは余談です。

このグリッドの基準表記に決まりはありませんので、各々が気に入った表記でよいです。

ちなみにサン工房の新築計画物件では、

縦列の表記を、い、ろ、は、に、ほ、へ、と・・と表記し

横列の表記を、1、2、3、4、5、6、7・・と表記しています。

そうすると、真っ先にくるグリッドの交点が『い-1』になります。

おそらく皆さん耳にしたことありますよね。

『いの一番』

きっとこのようなことも関係しているんじゃないですかね。

 

木造において、耐震補強工事そのものを行うことはさほど難しいことではありません。

各職方はそれぞれに知識と技術を持ち合わせていますので、補強工事においてはその力を発揮して助言や手助けをしてくれます。

それは実に頼もしい限りですよ。

その力を十分に発揮させられるかどうかは計画に左右されます。

この補強の計画の考え方や施工方法が曖昧だったり、指示がテキトーでは職方もその技術を存分に振るうことができません。

だからこそ、現状の確認をしっかりと行い、それに見合った補強計画を明確にすることがとても重要と考えます。

結果的に材料コストも抑えられ、最短の労務時間での施工が可能となります。

 

そしてそれを図式かしたのがこれ ↓ ↓ ↓

本当はもっとハッキリとお見せしたいのですが、図面ゆえご容赦を。

これから増築する部分は当然として基礎を造っていきますので、しっかりと耐力壁からの軸力を地面に伝えるようにします。

前回では、柱の下にあるべき基礎がなかったところがあるので、その部分も基礎を打ち増ししていきます。

しかもその柱部分が耐力壁となっていたので基礎の復旧は尚更絶対です。

これで基礎工事にも計画をもって安心して着手する準備が整いました。

この補強計画が明確にならない限り、基礎の必要な部分も明確になりませんから。

次回からはいよいよ基礎工事。

大変長らくお待たせしております。

 

大規模リフォーム・フルリノベ 11【耐震補強箇所の確認】

現場監理 金原