設計士のコラム

【コラム03】しっくい壁の魅力

こんにちは、設計士の増田です。

コラムの第3回、今回は建築内外部の仕上材「漆喰(しっくい)」についてお話したいと思います。

まずは漆喰仕上げの家をご覧ください。

専門技術をもった職人が原料である消石灰とのりなどを水と混ぜ、鏝(こて)を使用して壁に塗りつけます。

塗り壁ですので、仕上がりに継ぎ目ができないのが特徴です。

鏝の種類も様々。大面積用、狭いところ用、コーナー用など、場所に応じて使い分けます。

新築の場合、下地には主に石膏ボードを使用しますが、リフォームではビニールクロスの上に仕上げることもあります。

既存クロスを剥がさずに施工できるのも良いところです。

原料は全て自然素材で、調湿性、ゴミやホコリがつきにくい、表面が硬く耐久性がある、消臭、抗菌などの特徴があります。

また防火性もあり、何百年も前から城の外壁に使用されてきました。法規上でもコンクリートやレンガと同等の防火性能があるものとして認定されています。

私も好んで漆喰仕上げを提案しますが、よく「珪藻土との違いは何ですか」という質問を受けます。

珪藻土も漆喰に似た仕上げ材です。

見かけにはどちらも大きな違いはありませんが、漆喰は表面が硬く光沢があり、珪藻土はザラザラしているものが多いです。

逆光の場所では特に、表面がつるっとしている漆喰の方が光を反射します。

ここは好みが分かれるところだと思います。私個人としては、太陽光や照明の明かりがきれいに壁に映る漆喰が好みです。(冒頭の施工写真に戻って確認してみてください。)

また、調湿性という点では珪藻土の方が優れています。

施工に関して、漆喰は下塗りと上塗りの計2回塗り、珪藻土は製品により1回塗りと2回塗りがあり、コストを調整できるのが珪藻土のメリットのひとつです。

私たちの事務所では漆喰と珪藻土、それぞれの仕上げを見て触れることができます。

また実際の家でも様々な材料を使用していますので、ご興味のある方は是非、見学会などにもいらして頂ければと思います。

設計 増田

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