現場ブログ

気密性能について

気密性能について触れてみたいと思います。

昨今の建築業界におきましては、住宅の省エネルギー性を高めるべく、建物の性能を高める方向性にあります。

・高断熱住宅であること

・高気密住宅であること

・換気計画が整っていること

主にはこの三つがわかりやすいでしょうか。

特にこの中で一番厄介なのが”気密”に関わる性能です。

 

各社でも、この気密性能を高め確保することに躍起になり様々な対応策にて取り組んでいます。

この気密性能を数値化して表現する値の事を”C値”(しーち)といいます。

要は、建物の隙間を数値化して表現したものですね。

『当社のC値は、0.2~0.3くらいです』

『C値は0.5くらいです』

『C値は1.0くらいですかね』

『測ってないからわからないけど、そんなに悪くないですよ』

・・なんて、耳にしたことはありませんか。

 

当然皆さんもこの数値が気になるとは思います。

では、この数値が一体何を指すのか皆さんしっかりと理解をされておりますでしょうか。

ハイっ! わかる人、手をあげて!

理解されているようであれば釈迦に説法・・大変申し訳ありません。

ただ、お客様とお話しをしている中で、単に数値だけが一人歩きをしてしまっているように感じてしまう場面も少なくはないように思える時があるんですね。

 

『ちょっとお聞きしたいんですけど、今新築を考えていて気になることがあって、おたくのC値はどれくらい?』

『〇〇社さんでは、このくらいのC値と聞いたけど、おたくはどのくらいなの?』

やはり皆さんこの数値(C値)が気になるようで、このような問い合わせのお電話や、問い合わせメールをいただいたりします。

 

それでは、もう少し咀嚼(そしゃく)して一緒に考えていきましょう。

では、一般的に高気密住宅といわれる建物のC値はどのくらいなのか?

Google先生で検索すると、とても説明が上手でわかりやすく出ていますよ。

→高気密住宅 C値基準

えっ!そうなの!って思われた方何人かはいらっしゃるのではないでしょうか?

それともよくご存じだったでしょうか?

 

そうなんです。

実は1.0という数値が高気密住宅であるかどうかの一つの目安と言われています。

あくまでも目安なので絶対ということではありません。

この1.0をC値として正確に表現しますと、

C値=1.0cm2 / m2 という表現になります。

 

床面積=1m×1mに対して、1cm×1cmの隙間がありますよという”C値”の表現です。

これが、通称1.0、、などと口頭で話される数値のことです。

これを各社は、

『当社のC値は、0.2~0.3くらいです』

『C値は0.5くらいです』

『C値は1.0くらいですかね』

・・と言ってる形なんですね。

 

もう少し深堀りしていきますよ。

『今時、1.0ってありえないでしょ!』

『〇〇社は0.5って言ってたからもう少し検討します。』

このような声も聞こえてきそうです。

じゃぁ、0.5と1.0の違いってどのくらいなの?

数値的には倍だし、やっぱりC値が良い方を絶対に選ぶ?

この数値だけでは考えが踊らされてしまい、明確に比較検討ができにくいと思います。

これを、絵的に考えると以下のような比較検討になります。

どうですか!?

だいぶ明確になってきたと思いますがいかがでしょ?

数値だけで比較するのと、具体例を挙げて考えるのとでは感覚に違いを覚えませんか。

 

それでは次!

もうちょっとだけ頑張って深堀りしますよ。

『でもやっぱり、0.7って性能低くない?? そもそも話にならないよ』

『〇〇社は0.3って言ってたから、やっぱりそちらにしようかな。』

このような声も聞こえてきそうです。

じゃぁ、0.3と0.7の違いってどのくらいなの?

これを、絵的に考えると以下のような比較検討になります。

どうですか!?

より明確になってきたのではないでしょうか。

数値だけで比較するのと、そうでないのとでは感覚が違ってきます。

 

0.5よりも0.4、

0.4よりも0.3、

0.2、0.1、、、

考えれば考えるほど、もっと、もっとと、どんどん沼ってくる感じ受けません??

各社HPでは、このC値について掲載しているところがたくさんありますし、見れば見るほど数値に捉われてしまうと思います。

そこで今一度冷静に考えてみてください。

 

『名刺一枚サイズ程度の気密性能の違いに、云十万から云百万の費用を投じるという事を』

 

少々文言が過ぎたるものになっていますが、そこはどうかご容赦を。

これについては、個人的な価値観の違いもありますし、人それぞれ受け取り方もバラバラなので、これが正解という回答は存在いたしません。

その中でも確実に言えるのは、良いC値の結果を出すべく様々な専用の材料や素材を使用したり、それに伴う施工費や労務費が建築コストを押し上げているということは、紛れもない事実であるということを認識してほしいです。

業界的には、このC値は絶対に無視できないので各社頑張って数値を出すようにしています。

良い結果を出さなければならないのです。

結果を出さなければ土俵にすら上がれませんから。

また国を上げてCO2削減にも力を入れておりますから、しばらくはこの流れを止めることはできないと思います。

しかも、今後2025年4月には、全ての新築住宅等への省エネ基準の適合義務化が行われるようになります。

確かに建物の性能を上げることは、暮らしやすさにもつながりCO2削減にも貢献できます。

しかし、それと正比例して建築コストUPにつながることも明確であります。

また、その5年後の2030年にはZEH基準が義務化の方向性となりますので、ますますの高性能住宅、ますますの建築コストUPにつながることも明確になります。

しかしそれに伴う補助金や住宅ローン減税などの優遇も受けられるのでメリットは大きいと思います。

→ZEH基準義務化

→国土交通省HP

 

建物性能を上げるということは、冷暖房の効率も上がりますので、結果ランニングコストも抑えられるというメリットも十分考えられます。

それに夏の暑さや冬の寒さも最小限で抑えられますので、身体の健康面においても暮らしやすくなることは確実だと思います。

暮らしやすさとコスト。

大義名分と実生活。

逃れられない省エネ建築義務化。

これからは、たくさんたくさん考えることがありそうです。

まとめが下手で恐縮です。

 

気密性能について

現場監理 金原