素材の使い方

通常瓦は屋根の頂上部に用いられるのがごく一般的だと思いますが、以前神奈川方面に行った時に立ち寄った建物では、屋根に使用しながらもさらに屋根の下にも使用されており、しかも二段三段といった使われ方がされていました。

こういった職についていると、どうしても様々な建物に目がいってしまい、もっというと細かなディティール部にも興味がいってしまいます。

なんでこのようなことをしているのか、もともとあった屋根の上にさらに屋根を葺いたのか、あえてこういったデザインなのかなど、しばし考え込んで見てしまいました。
おそらくは、デザインを趣旨に設計者と施工者で行ったと思いますが、考え方一つで素材の使い方の世界は広がると思いました。
日本瓦で言えば、庭の通路部分に敷き込んだり、縁石代わりにも使用したりする場合があります。

とかく建築には色々な素材がありますが、建物の性能そのものを損なわないということを条件として、素材の使い方はその人の考えとセンスでもっと世界が広がるんだと思いました。

ついつい固定概念にとらわれがちになってしまいますが、デザインや意匠というものをもっと柔軟に考えられるように心掛けていきたいと思える建物を見ることができて良い機会となりました。

金原陽一