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秋の移ろいと、日本の住まい

設計者ブログ

ススキの穂が風に揺れる様子や、漂ってくる金木犀の香り。
足元で音を立てる落ち葉に、少しずつ早くなる日没。
夜空を見上げれば、月の美しさにも秋の深まりを感じますね。

こうした何気ない風景に、懐かしさや、どこか寂しいような気持ちを覚えることはないでしょうか。

日本には、古くから季節の移ろいや、時とともに変化していくものの姿に美しさを見いだす感性があります。

その感性を語る言葉のひとつに、  「わびさび」  があります。

わびさびとは、華やかさや完全さだけを美しいとするのではなく、簡素なものや、時を経て味わいを増したもの、不完全なものの中にも美しさを見いだす考え方です。

たとえば、長い年月を経て色合いが深まった木材。
雨風にさらされ、少しずつ表情を変えていく石や土。
使い込まれた道具に生まれる艶や、自然素材ならではの色むら。

新品のときの美しさとは違う、時間を重ねたからこそ生まれる魅力があります。

たとえば、長い年月を経て色合いが深まった木材。
雨風にさらされ、少しずつ表情を変えていく石や土。
使い込まれた道具に生まれる艶や、自然素材ならではの色むら。

お寺の改修工事のあと、綺麗に塗装された様子を見て以前の方が趣があったと感じる人がいるのも
根っこのところでわびさびの精神をもっているからなのでしょうか。

大きな開口部から見える広々とした庭を魅力的だと感じる人もいれば、障子越しに映る枝葉の影を
美しいと感じる人もいるし、たっぷりとした壁にある小さな小窓から入る光や外の景色に
こころ惹かれる瞬間もあると思います。

その時の感情に静かに向き合う時間や移り行く時の流れを感じながら暮らすこともまた
日本らしい住まいのあり方かもしれません。

今、鈴虫の声を聴きながら夜が更けていくのを感じています。

山口

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