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世界の台所

ラジオで聞いた著者の話から、興味を持っていたこちらの本。
「このキッチンが素敵だから、今度提案してみよう」
なんて参考になるものはほとんどありません。
敷地内にお寺のある住まい。
共同の調理場まで専用の器具を使いに行く人。
ベランダにコンロがあるアパート。
対面キッチンなどほとんどなくて、独立した部屋や建物の中、冷蔵庫もあったりなかったり。
わたしたちの暮らしの形が、当たり前ではないことに気付かされます。
その場所・文化・経済・住まい手の価値観等々が、多種多様な「台所」をつくっていました。
〇
視野を世界に広げれば、多くの違いに気付きます。
それを日本に狭めれば、みんな大体一緒。
なのかと言うと、実はそうでもありません。
手元を隠したい人。
家族と距離を置きたい人。
調理に集中したい人。
あまり料理が好きではない人。
そうした違いに耳を傾け、この家族にとって一番はなんだろう?と考える時間は、家づくりの楽しみのひとつでもあります。
そんなことを頭に浮かべながら、いつかベランダにコンロを提案する日が来るのだろうかと、想いを巡らせる読書時間でした。
鈴木孝明