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シロアリを好きになった日

設計者ブログ

木材を好んで食べ、文字どおり建物を侵食する「害虫」。

そう、それはシロアリ。

住宅の建築時には必ず防蟻処理が施され、完成後も定期的なメンテナンスを行う家は少なくない。

そんな厄介者を少し肯定的に見られるようになったきっかけは、「虫ちゃん」こと片田陽依さんが出演するラジオを聴いたとき。
(片田さんは虫をこよなく愛する俳優。虫界の「さかなクン」と言えばイメージしやすいだろうか。)

「シロアリは切り株を食べて分解する虫なんですけどね~」

その一言を聞いて私は気がついた。

「自然界にシロアリが存在する理由」を知らないことに。

気になってその生態を調べてみたところ、
シロアリは森林生態系において枯れ木や落ち葉を分解して養分を土へ還す「分解者」として重要な生物であるという記事を見つけた。

さらに海外の研究では、シロアリが多く生息する地域では土壌の水分が保たれ、熱帯雨林が干ばつに見舞われた際にも生態系の維持に貢献しているという結果も見られたという。

つまり、森の循環を支える「益虫」なのである。

暮らす場所が違うだけで、益虫が害虫に扱われてしまう。

里山から人里へ下りてきたクマが「害獣」と呼ばれる現象にも少し似ている。

・・・なんとも不条理である。

私たちが建築工事で防蟻処理を行うのは、シロアリを根絶するためではなく、本来いるべき森林や里山に生息地を移しその役割を果たしてもらうため。

そう捉えれば、私たちの仕事もアリ界に対して少しは肯定できるだろうか。

増田

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